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海、山、人を通じて体験した熊野の日常。長期滞在がおすすめの熊野流ワーケーションステイ。

宿泊施設

2022.5.09

Abuden(あぶでん)

海、山、人を通じて体験した熊野の日常。長期滞在がおすすめの熊野流ワーケーションステイ。

住みよい家に滞在し、山ではハイキング、夜の海辺でピクニック、昼の海で定置網漁業を体験しました。
Abudenに滞在し、たくさんの体験と人を紹介いただいた熊野でのワーケーションステイをご紹介します。

宿泊先は「Abuden(あぶでん)」

宿泊させていただいたのは、「Abuden(あぶでん)」。
JR熊野市駅から徒歩10分、コンビニまでは徒歩3分と、車がなくても訪問しやすい土地にあります。

海、山、人を通じて体験した熊野の日常。長期滞在がおすすめの熊野流ワーケーションステイ。

家主は井上結子さん。

井上さんの専門は語学。
英語と中国語が堪能です。

「Abuden」で宿泊事業を始めておおよそ2年。
外国人を対象とした宿泊施設の運営を事業の柱としており、「Abuden」のホームページは全編英語で書かれています。

また、グリーンツーリズムインストラクターとして、子どもたちと一緒に思いっきり遊べる遊び場を提供する「irokuma」を1年半ほど前に開業し、熊野の自然を生かした取組をされています。

今回のワーケーションステイでは、井上さんの日常にお邪魔して、人・体験をたくさんご紹介いただきました。
井上さんが、「Abuden」での滞在はまるでホームステイのようとおっしゃっていたのですが、実際に体験して、その意味がわかりました。

「Abuden」はこんなところ

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宿泊先「Abuden」のご紹介です。
宿泊部屋は2階にあります。
畳が香り、日も風もよく入る、気持ちがいい部屋です。

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襖と外窓の間には直角の廊下があり、趣があります。
どの部屋もほこり一つなく掃除されています。お風呂や台所もとても清潔でした。

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「古民家 デザイン おしゃれ」と検索したら出てきそうな、ぐっと心を掴まれるディティールがどの部屋にもあります。

ワークの環境

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家主の部屋以外は自由に使ってくださいとのことでしたので、宿泊した部屋以外でもPCを広げて仕事をしました。
どの部屋でもWi-Fiが入り、メール対応、クラウドへの原稿保存などの作業で困ることはありません。

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こちらから申し出ずとも、宿泊部屋に、机、椅子、延長コード、卓上ライトが設置されており、たいへん助かりました。

滞在1日目は、午前中ワークをして、昼過ぎから
・松本峠
・鬼ヶ城跡、鬼ヶ城展望台
・鬼ヶ城
をめぐるハイキングへ向かいました。

レトロな雰囲気が楽しいシェーク屋さん

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ハイキングの前に、「Abuden」から徒歩3分ほどのところにある「片岡シェーク店」に立ち寄りました。

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学生が学校の帰りに寄るため、午後からのオープンが多いそうです。

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生クリームのような濃いめのシェーク。
一気に飲んでしまいました。
この後、松本峠を登るため諦めましたが、バーガーも食べたかった。
峠を上る前で不安だったのですが、気さくなご店主とお話できたので、緊張がほぐれました。

松本峠からはじまるハイキング

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まずは松本峠を目指しました。

途中、なかなか頂上にたどり着かないので、迷った可能性があると判断し一旦、下山。
道を尋ね、「横道はたくさんあるけれど入らずに、石畳をまっすぐに進む。」と教えていただきました。

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峠というだけあり、石畳の急な上り坂はかなりきつく、息切れしましたが、「石畳をまっすぐに進む。」を心に頂上を目指して登ります。

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峠の頂上にはお地蔵さまがいらっしゃいました。

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ここから鬼ヶ城跡を目指します。
峠を登り切った後も、下ったり上ったりをくりかえし、進みます。

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木の根が露出した道を進みます。
足裏でごつごつとした根を踏みしめるため、足ツボを押されているかのような感覚です。

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途中、見晴らし台やベンチなどがあるので、休憩しながら進みます。
こちらの東屋では七里御浜の海岸線を一望できます。

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経由地の鬼ヶ城跡と鬼ヶ城展望台に到着です。

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「鬼ヶ城跡と鬼ヶ城展望台」のすぐ横にある、「鬼の見晴らし台」にて一休みします。
この後はいっきに下り、鬼ヶ城(鬼ヶ城センター)へ向かいました。

途中通った「さくらの道」の桜はまだ開花前でしたが、満開の時期には海に面した桜の森を抜けるような感じでさぞかし気分が良いだろうなと想像が膨らみます。

鬼ヶ城

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鬼ヶ城(鬼ヶ城センター)に到着。
「鬼ヶ城西口入口」から「鬼ヶ城センター」までと写真にありますが、
現在地の表示が示す通り、スタートは「鬼ヶ城センター」、ゴールを「鬼ヶ城西口入口」として、鬼ヶ城を散策しました。

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鬼ヶ城は波に削られて作られた岸壁で、1.2kmほど続きます。

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まるで蜂の巣のような岸壁。

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急勾配でごつごつとした岩を上り下りしながら、ゆっくり進んだので、
おおよそ1時間でゴールの鬼ヶ城西口入口にたどり着きました。

宿泊先の「Abuden」を出発し、松本峠と鬼ヶ城を経て戻ってくるまで、計3時間ほどのハイキングとなりました。

写真を撮りながら、ゆっくり歩きましたが、平らではなく上り下りの激しい道のりだったので息切れもしました。
普段、運動をしないので疲れましたが、景色をずっと楽しめたので飽きずに歩けました。
疲れはしましたが、良い疲労感を味わえて満足です。

石畳や木の根っこ、海岸のごつごつした岩の道を歩くこととなりましたので、スニーカーは必須。
この日は日当たりがよく暑かったので、帽子と水も持っていってよかったです。

夜の七里御浜(しちりみはま)散歩

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こちらは、熊野市「地域おこし協力隊」として、熊野市観光協会に籍を置き活動されているなおこさんです。
滞在中、熊野のわからないこと、疑問に思ったことについて、何でも教えてくださいました。

「Abuden」家主の井上さんから、歴史に詳しい友人として紹介いただきましたが、詳しいのは歴史だけじゃない。地域の詳細を把握して、課題を見出し、未来にむけての道づくりをされている上に、話もうまい。

井上さんとなおこさんのおかげで、熊野っていいなと思える実り深いワーケーションになったことは間違いありません。

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「Abuden」から徒歩5分ほどのところにある、砂と小石からなる砂礫(されき)海岸、七里御浜(しちりみはま)。
井上さんと なおこさんに夜の散歩へ誘っていただきました。
遠くに見える漁船の光で水平線がどこにあるか認識できます。

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満潮時間をチェックし、安全を確認。
少し厚手のレジャーシートに寝転がって、あったかいお茶をカップでいただきながら、ごろごろ寝転がっておしゃべりしていました。
背中に当たる砂利がここちよい。

七里御浜の砂利が減っていること。
七里御浜が遊泳禁止となっていること。それは、海から上がるときに砂利に足を取られ、陸に上がってこられないから、ということ。
熊野の子供たちが、いかに自然に星を見ているのかということ。

そんなことを、なおこさんにお話しいただきました。

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散歩兼ピクニックの後は、暖かみのあるぼんやりとした街灯がある商店街を横目に、「Abuden」に戻りました。

お菓子問屋 清水製菓

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「Abuden」から徒歩1分ほどのところに菓子問屋の「清水製菓」があります。
店舗の前を歩いていたところ大量のお菓子が見え、入らずにはいられませんでした。
問屋さんを訪ねる機会は、なかなかない。

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この地に店舗を構えて100年は経っているとのこと。
たくさんのお菓子に囲まれると気分があがります。
駄菓子もスーパーでよくみる菓子も販売されていました。
突然訪ねたにもかかわらず親切にご対応いただき、「はしごは創業当時から使っているものだから、釘が使われていないのよ」なんてお話もうかがうことができ、楽しかったです。

定置網漁体験

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午後から定置網漁を体験しました。

熊野市では、熊野のよさを知ってもらう1つの手段として、定置網漁を体験できる機会を設ける予定とのこと。
定置網漁業体験は漁師さんがそれぞれ実施するので、体験プランの内容は担い手により様々。

私が体験したのは株式会社GATE(ゲイト)の小型定置網の漁体験プラン。
甫母(ほぼ)漁港を小船で出発し、海中に設置された定置網に向かい、2〜3分ほどで到着しました。

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海中に設置された網を引き上げるため、ロープを引きます。
めちゃくちゃ重い。

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上がってきた網を船に引きよせます。

ロープを手繰り網を引き上げるのに、体の全ての筋肉を使ったのではないでしょうか。
身体全体の力を使わなければ網を引き上げられません。

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網を船に寄せると魚が集まってくるので、たも網で掬います。
今回はイトヒキアジ、アゴナシ、タイ、イカなどがかかりました。
魚を氷が敷き詰められた樽に入れ、漁港まで運びます。

網の重さや、魚の重さ、網に鱗が絡まっている様や、船の上で作業する困難さなど、
実際にやってみて知ることが多く、体験の大切さを改めて感じました。

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漁港に、テーブル・包丁・まな板などの備品とスペースを用意してもらっているので、そこで魚を捌くことができます。

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こちらは、共に定置網漁業体験に参加した、可知景子さん。
元魚屋さんで、現在は尾鷲市九鬼町地域おこし協力隊として活動されているとのこと。可知さんに魚の捌き方を教えていただきました。

生きている状態のときの捌き方、刺身にする場合や煮物にする場合など、魚の状態や料理の内容によって、どう捌けばいいのかを教えていただきました。

魚がもっと流通したらうれしいし、魚好きが増えたらうれしい。といった話をしながら、
魚のどの部分をどう扱えば食べられるのか、をシンプルに教えていただいたので、
生の魚からの調理にも挑戦してみようという気持ちになりました。

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捌いた魚を持ち帰り、調理していきます。ここからは、井上さんの「irokuma kids」が定置網漁体験のオプションプログラムとなります。(お子さん連れはもとより、大人だけでも受け付けてくれますのでご安心を。)

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株式会社GATEでは、熊野で漁から加工まで行い、魚を使ったペットフードも作っています。
熊野で獲れた天然魚のみで作られている、無添加のペットフード。
ペット用なので味付けはありませんが、人が食べても問題ありません。

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イトヒキアジ・アゴナシ・タイなどを、お刺身・煮つけなどに調理。
どの料理もおいしくいただきました。
捌き方を教えていただいたおかげで、これからは生魚からの調理を自分でやってみようと思えました。

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捌いた魚の他に、干物を使った炊き込みご飯を作っていただきました。
骨のないシイラの干物を使用しています。
レシピとして覚えておきたい一品です。

おいしい干物を買いました。

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帰路に着く前に、「魚作商店」で干物を購入。
JR新鹿駅から徒歩6分ほどのところにあり、熊野新鹿IC乗降口もすぐ近くにあります。
「Abuden」家主の井上さんからこちらの干物がおいしいと聞き、たまらずやってきました。

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大正9年創業の有限会社魚作商店 竹内さん。
閉店間際にお伺いしてしまったのですが、親切に梱包を提案していただき助かりました。

干物は硬いというイメージがあったのですが、
自宅で干物を食べたところ、硬さは全くなく、ふんわりして美味しかったです。

今回は体験ということで、1泊2日での「Abuden」への滞在をお願いさせていただきました。

家主の井上さんは、1週間〜などの長期滞在で、熊野での日常を楽しみながら仕事もするような過ごし方が熊野には本来合っているのではないかと、少なくとも2泊3日からのプランを提案されています。

ハイキングも、夜の散歩も、漁業体験も、熊野の日常の延長線上にあります。
熊野の生活に根付いている体験ごとなのだと思いました。

今回体験したことは、定番プランとして設定されているものではありません。
滞在者の予定を考慮に入れながら、井上さんの日常や熊野の日常を織り込んだプランを一緒に考え、提案していただいた熊野流ワーケーションでした。

今度はぜひ長期滞在でまた訪れたいと思うような、土地や人と出会えました。
熊野の皆さまにはお世話になり、本当にありがとうございました。

過ごし方の一例

1日目
11:30 チェックイン
    ワーク
13:30 片岡シェーク店
    松本峠、鬼ヶ城跡・鬼ヶ城展望台、鬼ヶ城をめぐるハイキング
18:00 夕食
21:00 七里御浜(しちりみはま)へ散歩
22:00 Abudenに戻る
23:00 就寝

2日目
11:00 ワーク
    チェックアウト
    菓子問屋(有)清水製菓
12:00 定置網漁業体験、調理など
16:30 魚作商店で干物を購入
    帰路につく

施設の紹介

Abuden(あぶでん)
熊野の遊び場 irokuma kids
〒519-4323 三重県熊野市木本町554
電話番号:090-9267-5710

Abuden(あぶでん)

熊野の遊び場 irokuma kids

片岡シェーク店
〒519-4323 三重県熊野市木本町114

鬼ヶ城

鬼ヶ城

菓子問屋(有)清水製菓
〒519-4323 三重県熊野市木本町486

株式会社ゲイト / Gate Inc. /
Gate二木島ラボ(海の家)
熊野灘でとれたお魚ごはん
〒519-4204 三重県熊野市二木島町530−3

株式会社ゲイト

熊野灘でとれたお魚ごはん

有限会社 魚作商店
〒519-4206 三重県熊野市新鹿町630
電話番号:0597-86-0001
営業時間:9:00 ~ 18:00 [平日]

有限会社 魚作商店

ライター情報

ハットリ

今回ワーケーションを体験してみて、自分のスタイルに合う、ワーケーションと滞在地を、今後たくさん見つけていくことができればいいなと思いました。