移住者と地域住民が交流しながら新しい価値をつくり出していく「鳥羽なかまち」。
どこかなつかしく、それでいて新鮮な驚きや楽しさもあるこの地域を拠点に、1泊2日のワーケーションを楽しみました。
オススメポイント
● 移住者が飲食店などを起業されていて、それを街全体で応援している。そんな仕組みや人に触れられる。
● 昔ながらの良い物を残しつつ、新しい取り組みも進めていることで様々な角度からの刺激を受ける。
● 駅周辺は有名な観光スポットもあり、楽しく気分転換もできる。
東京からの移住者がオープンしたまんまるおにぎりのお店
鳥羽市にある中之郷駅から徒歩5分のところにある、おにぎりカフェ「うさぎのしっぽ」。
ホテルのチェックインまで時間があるので、まずはここでランチをいただきます。
「miniランチセット」を注文。
数種類から選べるうさぎのしっぽのように丸くてカワイイおにぎりが特徴です。
カボチャのおにぎりや柿が入ったサラダなど、どれを食べても美味しく大満足でした。
「うさぎのしっぽ」は、鳥羽へ地域おこし協力隊で来られた佐藤創さんが、地域おこし隊の任期終了後にオープンされたお店です。
佐藤さんは、もともと東京で映像制作の仕事をされていたのですが、地域おこし協力隊をきっかけに鳥羽に来られて、地域の人たちのあたたかさに触れ、このまちで開業しようと決めたそうです。
「うさぎのしっぽ」は、映像制作会社「イエンスの塔」の事務所にもなっており、美味しいおにぎりランチを食べながら映像制作の話を聞くこともできます。
コワーキングスペース「KUBOKURI(クボクリ)」と濱地さん
おにぎりランチでお腹を満たしたあとは、徒歩2分のところにあるカフェ兼コワーキングスペース「KUBOKURI(クボクリ)」で仕事。今回の鳥羽でのワーケーションの拠点となります。
電源とWi-Fiがあるので、リモートワークにも最適。利用料金も1日500円とリーズナブルです。
KUBOKURIで仕事をしていると「鳥羽なかまち」のキーマンの1人である濱地雄一朗さんにお会いしました。
濱地さんは、地域の良さを県内外に売り込むため、WEBライターをはじめ、まちづくりの様々なプロジェクトに関わっています。
濱地さんはこの日、地域の様々なお店に立ち寄られているところだったということで、まちづくりなどのお話などを少ししたあと一緒に徒歩2分の「わらい屋」さんへ移動。
わらい屋さんでおやつ代わりに「ホルモンみそ焼きそば」を購入。追い味噌付き。見た目よりもあっさりしていて、とても美味しかったです。
その後、もう一度KUBOKURIに戻って濱地さんとまちづくりについて意見交換をさせていただきました。
鳥羽湾を一望できる宿泊施設「扇芳閣」
その後、宿泊先の「扇芳閣」へタクシーで移動しました。
「扇芳閣」は、鳥羽十景にも選ばれた鳥羽湾を一望できる立地にあり、豊富な海の幸の料理や天然温泉などを楽しめます。
また、ホテルから緩やかな坂道を登っていくと、「めだかが住めるきれいな自然環境を残したい」という想いで作られた自然溢れる公園「めだかの学校」があり、足湯なども楽しめます。
扇芳閣に到着後、まずは予定の入っていたオンラインミーティングを開始。広い部屋でWi-Fi環境も整っているので、ストレスなくミーティングに参加できます。
部屋から鳥羽湾も見えるので綺麗な景色をのぞみながら仕事ができるのは最高です。
22時に仕事が終わり、温泉に入って、コンビニで買ってきたお酒を飲みながら今日1日を振り返ってゆっくりした時間を過ごしました。
鳥羽の街並みを一望できる展望台浴場が24時まで、自然に浸ることができる庭園露天風呂が23時まで入ることができるのは、嬉しいですね。
この日は、宿に戻るのが遅くなったため、ホテルの夕食は食べられませんでしたが、皆様は「扇芳閣」宿泊の際には、ぜひ新鮮で美味しい海の幸をご堪能ください。
レンタサイクルでぶらり自転車観光
2日目は、少し早めにホテルをチェックアウトし、ホテルから「JR鳥羽駅」行きのバスに搭乗します。
バスは8:00から10:20まで20分おきに運行しています。
JR鳥羽駅に到着後、目の前にある鳥羽一番街に向かいます。
1階には、「鳥羽一番旅コンシェルジュ」があり、ここで手荷物を預かってもらったり、自転車を借りたりすることができます。普通自転車のレンタルは16:30までで(12月〜2月は16時まで)、1日600円。電動自転車は1日1,000円となっています。
荷物を預かっていただき、普通自転車をお借りしました。
この日の午前中は、急ぎの仕事がなかったため、自転車を借りて街中をブラブラします。
海をみたり、鳥羽水族館に立ち寄ってみたりしながら、昨日に引き続き、午後からの仕事の拠点となる「KUBOKURI」を目指します。
江戸時代から続く貴重な資料を見られる「鳥羽大庄屋 かどや」
鳥羽一番街から自転車で5〜6分程で、KUBOKURIに到着し。午後の仕事に入る前に、KUBOKURIの近くにある「鳥羽大庄屋 かどや」で、江戸時代から続く貴重な品々に触れて感性を磨きます。
「かどや」は、江戸時代の大庄屋で鳥羽随一の財産家である廣野家の邸宅。
平成16年に廣野家より鳥羽市に住宅が寄贈されました。平成18年に、主屋、内蔵、土蔵が国の登録有形文化財として登録されています。その後、平成22年〜平成24年度にかけて修理工事が行われ、明治期の古写真の姿に復元されました。
江戸後期に6代目が薬舗を創業していることもあり、薬に関する道具などを多数見ることができます。
貴重なステンドグラスや食器、明治時代の資料。
昔のオルガンやその中に使われていた部品、明治時代のトイレなど本当に貴重な品物の数々を見ることができます。
この日は、廣野克子さん(写真右)に1時間近く丁寧にご案内していただきました。
もっとお話を聞きたいと思えるぐらい楽しく、その時代ならではの様式美や機能美などがたいへん勉強になりました。
絶品!ちゃんぽんとコーヒーと濱口さん
かどやを後にして、仕事の拠点となるKUBOKURIに移動。
KUBOKURIでは、水曜〜土曜まで「花清水」という季節のちゃんぽんと炙り鯖鮨のお店がオープンしているので、ここで昼食をいただきます。
注文したのは「鳥羽ちゃんぽん」。
鳥羽と言えば牡蠣。牡蠣、海老、肉、野菜。
たくさんの具材が入っていていままで食べたちゃんぽんの中で一番美味しいといっても過言ではないぐらい絶品でした。
花清水はご夫婦2人で経営されているとのこと。もともとは大阪で割烹料理屋をされていたそうですが、海を見ながら釣りをして過ごす第2の人生として鳥羽に移住されたそうです。
自分たちのペースで無理なく働く。鳥羽ではそういった移住のスタイルも提案されており、その第一人者である「合同会社NAKAMACHI」の濱口和美さんにKUBOKURIでお会いしたので、少しお話をお伺いしました。
濱口さんは、IT関連の会社を退職された後、先ほどの「かどや」さんがきっかけで、鳥羽なかまち会議に出席。その後、町全体を活性化させるため5人の有志で出資して「合同会社NAKAMACHI」を立ち上げられました。
移住に力を入れている鳥羽市役所の担当課と連携し、移住したい人、移住について悩んでいる人、移住定住ツアーの受け入れ、地域で仕事を起こしたい人など、多様な人や仕組みのサポートをされています。
上述した「花清水」も濱口さんに相談し、いまの営業スタイルになったそうです。
KUBOKURIにいると「鳥羽なかまち」のキーマンの方々と出会えるので、本当に刺激を受けます。
濱口さんのお話で刺激を受けたあとは、KUBOKURIでコーヒーを飲みながら仕事をします。KUBOKURIは、水曜と木曜のみ「N3Coffee」としてカフェとなり、コーヒーを楽しむことができます。
カフェのマスターは、玉田直美さん。伊勢市にある自家焙煎珈琲豆店「なかむら珈琲」がお好きだそうで、そのこだわりの豆でコーヒーを淹れていらっしゃいます。なんとカフェ以外の日はエステを経営しているとのこと。
やりたいことをやる。自分の人生にあった働き方をする。まさに「鳥羽なかまち」の働き方だなとお話を聞いていて思いました。
多様な人が出入りするKUBOKURIでは、普通のカフェや喫茶店では無いような出会いもあるそうです。
お土産に。牡蠣のオリーブオイル漬けや牡蠣醤油
2時間ほど仕事をしたあと、お土産を買うため「海童工房 魚寅」に寄りました。
鳥羽市浦村産の「浦村牡蠣」を使用した燻製や魚醤油などを販売しています。特に、「牡蠣のオリーブオイル漬け」は人気商品で、店舗に行っても買えないことがあります。
オーナーの杉田さんは現在、新たな魚醤油づくりにチャレンジしているそうです。また、店舗2階をコワーキングスペースに改装されていて、テーブルやイス以外にプロジェクターやスクリーンも設置されています。
「鳥羽なかまち」は、街中のいたるところで仕事ができるように取り組まれていました。
お土産を購入したあとは、一番街へ戻り、自転車を返して帰路につきました。
街探索型のワーケーションとして「鳥羽なかまち」を堪能しました。移住へのヒントを得ながら地域全体で活性化に取り組むおもしろさに触れることで、脳がとても刺激された1泊2日でした。
過ごし方の一例
【1日目】
12:00 鳥羽市中之郷駅に到着
12:30 「うさぎのしっぽ」で昼食
13:30 コワーキングスペース「KUBOKURI」で仕事
15:00 「扇芳閣」にチェックイン。オンライン会議や書類づくり
18:30 仕事の打ち合わせのため外出
22:00 ホテルに戻る。入浴
23:30 就寝
【2日目】
2日目
8:00 朝食
9:30 チェックアウト。バスで移動
10:00 「鳥羽一番街」にて自転車をレンタル
10:30 「かどや」で古き良きものに触れる
12:00 「花清水」で昼食
13:00 「N3Coffee」でコーヒーを飲みながら書類作成などの仕事をする
15:00 「魚寅」でお土産を購入
15:30 ワーケーション終了
施設の紹介
うさぎのしっぽ
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽4丁目4-4
KUBOKURI
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽3丁目30-27
わらい屋
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽4丁目4-7
扇芳閣
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽2丁目12-24
鳥羽一番街
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽1-2383-13
鳥羽大庄屋「かどや」
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽4丁目3-24
花清水
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽3丁目30-27
N3Coffee
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽3丁目30-27
海童工房「魚寅」
〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽4丁目5-1