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東紀州でワーケーション! 地域・人・しごとのつながりについて考える

宿泊施設

2022.5.27

漁村暮らしの宿「わたまし」

東紀州でワーケーション! 地域・人・しごとのつながりについて考える

高齢化・人口減少に拍車がかかる三重県南部地域。その一方で、「この地域でがんばりたい」という思いを持った若者も増えつつあるようです。今回はそんな地域の1つ、三重県尾鷲市を訪れました。

まずは腹ごしらえ。尾鷲の魚を堪能

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お昼前に尾鷲に到着し、まずはお昼ご飯。立ち寄ったのは「おわせお魚いちば おとと」です。

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尾鷲といえば魚!ということで海鮮たっぷりのどんぶりをいただきました。
食後は少しショッピング。おととではお土産物も買うことができます。

人と地域が「しごと」でつながるコワーキングスペース

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昼食後は、「シェアスペース土井見世」を訪れました。
「シェアスペース土井見世」は、登録有形文化財に指定された古民家を改修して活用しているコワーキングスペースです。JR尾鷲駅からも歩いて移動できる距離にあるため、車がなくても利用ができます。

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コワーキングスペースとして活用されている和室がこちら。この日も何名かの方が利用されていました。中には大学生の姿もありました。

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こちらは洋室。和室とは打って変わってモダンな雰囲気です。打合せ等でこちらも利用できます。

こちらを運営されているのは「NPO法人おわせ暮らしサポートセンター」さん。
尾鷲市の地域おこし協力隊の卒業メンバーによって運営されています。少しお時間をいただきお話を伺ってみました。

「土井見世」では、コワーキングスペースの運営だけではなく、ワーケーションの受け入れも行っています。最近は企業からの問合せも多く、企業のニーズを聞きながら適したプログラムをコーディネートする役割も担っているそうです。

地域おこし協力隊やこれまでの活動を通して作ってきたつながりを活かし、尾鷲全体をフィールドに、港町である尾鷲ならではのプログラムを企画されています。


また、コワーキングスペースということで、「土井見世」にはフリーランスで活動されている方も多く訪れます。その方々と一緒にプロジェクトをつくっていくこともあり、その結果、移住につながっていくこともあるとのこと。

お話を伺って一番面白いと感じたのは、ワーケーションの多様さでした。
長期滞在型のワーケーションを通して、旅先の地域で新しいつながりや仕事、そして新たな価値をつくっていく。多拠点居住が注目されるようになってきている今の時代において、土井見世のような拠点となる場所は、とても重要になっていくような予感がします。

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この日はちょうどオンラインで打ち合わせの予定があったため、洋室の一角をお借りして仕事をしました。落ち着いた雰囲気のおかげか、いつもより集中して仕事に臨めたような気がします。

尾鷲のまちなかで一泊。

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日も暮れてきたため、本日お世話になる宿「漁村暮らしの宿 わたまし」に移動しました。土井見世からは徒歩で約5分、外から見た印象は昭和の雰囲気が漂う民家ですが、中はとてもキレイに整備されていました。空き家を改装して宿として活用しているとのこと。

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和室だけでなくフローリングの居間もあります。
一軒家だけあって広々としています。

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台所スペースには冷蔵庫や炊飯器、電子レンジ、食器類も備え付けられています。近くのスーパーで食材を買ってこれば何でも調理できそうですね。

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お風呂もあります。洗濯乾燥機も備え付けられていました。
これだけ設備が整っていれば長期滞在でも安心して利用できそうですね。

Wi-Fiも完備されているので、こちらで仕事をすることもできます。
こもって仕事をするときはこの「わたまし」で、気分を変えたいときや人に会いたいときは「土井見世」で、というように、日によって仕事する場所を使い分けることもできそうです。

こちらの宿のオーナーをされている中尾さんも地域おこし協力隊のOBとのこと。尾鷲市の地域おこし協力隊は平成23年から始まっており、たくさんの地域おこし協力隊OBが地域で活躍されています。このOB同士のつながりが、大きな力になっているように感じました。

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晩御飯は、土井見世で紹介していただいたお店「お食事処 鬼瓦」を訪ねることにしました。
お昼に引き続き、魚料理です。お刺身も煮つけもとても美味しかったです。

尾鷲のまちなかには、他にも個性的な面白いお店があるそうです。

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食事の後は夢古道おわせ「夢古道の湯」に向かいました。こちらは宿から車で5分程度の場所にあります。近くでいろいろ済ませることができるのはありがたいですね。

旅の疲れを取るべく、温泉にじっくり浸かりました。
夢古道おわせでは、日中はランチを食べたり、お土産物を買ったりもできます。

思っていたよりも疲れが出ていたので、宿に戻り早めに就寝しました。

長距離ドライブで東紀州を味わう

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朝は宿の周辺を少し散歩してみました。漁港の雰囲気が感じられますね。月に一回朝市も開催されているそうです。どんな雰囲気なのか気になりますね。

宿に戻りチェックアウトした後は、熊野まで足を運ぶことにしました。道中の風景を楽しみながらのドライブです。

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熊野市駅付近の海岸。この日はとてもいい天気でした。せっかくなので少し海岸を散歩。ここでPC開けて仕事できたら面白いだろうなあ。

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海岸から山間部の方に車を走らせます。こちらは日本でも最大規模の枚数を誇る棚田、丸山千枚田。山や海の圧倒的な存在感は東紀州エリアの特徴のように感じます。ここでZoom会議したらどんな感じになるんだろう。

熊野の奥地の長期滞在型農体験スポット!

尾鷲からのドライブを楽しむこと約2時間。この日は奈良との県境にある「農の家 雨宿り」さんを訪問しました。

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「農の家 雨宿り」は、農に関心を持つ方の長期型ワーケーションの受け入れをされています。滞在者は、地域の農作業を手伝いながら、数か月以上の期間をかけて農のある暮らしを学び、体験していきます。

この日はちょうど県外からやってきた若者が滞在していました。コメづくりを学ぶために、秋までこちらに滞在するそうです。

施設を経営されているのは雨宮さんご夫妻。雨宮さんは熊野市の地域おこし協力隊のOBとのこと。尾鷲でもそうでしたが、東紀州地域では地域おこし協力隊OBがあちこちで活躍されているように感じます。

地域おこし協力隊としてこの地域で仕事をつくり、つながりをつくり、暮らしをつくってきた方々にとって、ワーケーションで長期滞在される人たちの「何か新しいことを模索したい」という気持ちは、かつての自分たちの姿に重なるものがあるのかもしれません。

だからこそその取り組みを応援しようとする場や人が、この地域には多いように感じました。

今回は数時間の滞在時間だったので、お話を伺うだけになってしまいましたが、それでも「しごと」についてたくさんの学びを得られたように感じます。

再び東紀州を味わうドライブに

「農の家 雨宿り」でお話を伺った後は、再び道中の風景を楽しみながら熊野の市街地まで戻りました。その後はお土産を買いに、「道の駅 パーク七里御浜」までドライブです。

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熊野地域といえば、1年中みかんが採れる場所として有名です。
お土産もみかんにちなんだものがいっぱいあって、何を買おうか悩みました。

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お土産購入後、もう一度海を見に行きました。
一面に広がる海と空。この風景は落ち着きますね。

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まだ時間に少し余裕があったので、鬼ヶ城にも立ち寄りました。
波が岩を浸食することによって作られた自然の造形は圧巻です。
ここ以外にも、東紀州地域には何かが宿っているような雰囲気を持った秘境スポットがたくさんあるので、いろいろ回ってみたくなりますね。

今回は尾鷲と熊野の両方を訪問しました。車での移動距離がかなり大きくなるので、2泊・3泊と滞在期間を長めに取った方が、よりいっそう満喫できるように感じました。仕事目的でも観光目的でも、東紀州地域は長期滞在と相性がいい地域なのかもしれませんね。もっといろんな人、いろんな風景に出会いたいと思いました。次の機会はもう少し長く滞在してみたいです。

1日のスケジュール

1日目
12:00 「おわせお魚いちば おとと」にて昼食
13:30 「シェアスペース土井見世」に到着。オンライン打合せ等の仕事
17:00 「漁村暮らしの宿 わたまし」に到着。チェックイン
18:00 尾鷲市街地で夕食
19:30 わたましに到着
20:00 「夢古道おわせ」にて入浴
21:30 わたましに到着。メールチェック等の仕事
23:00 就寝

2日目
08:30 起床、周辺を散歩
09:00 チェックアウト、熊野市まで移動
    道中、丸山千枚田に立ち寄り
11:30 「農の家 雨宿り」に到着
14:00 出発
15:00 「道の駅パーク七里美浜」に到着 買い物
16:00 「鬼ヶ城」に到着
16:30 出発、帰路へ

施設の紹介

おわせお魚いちば おとと
519-3659 三重県尾鷲市古戸野町2番地の10号

おわせお魚いちば おとと

シェアスペース土井見世
519-3611 三重県尾鷲市朝日町14-2

シェアスペース土井見世

漁村暮らしの宿 わたまし
519-3605 三重県尾鷲市中井町3-25

漁村暮らしの宿 わたまし

夢古道おわせ
519-3625 三重県尾鷲市向井12-4

夢古道おわせ

丸山千枚田

丸山千枚田

農の家 雨宿り
519-4447 三重県熊野市育生町尾川152

農の家 雨宿り

鬼ヶ城

鬼ヶ城

ライター情報

やすみや

松阪生まれ。イラストマップづくり等、中山間地の方々の活動に関わること約10年、気づけばもう40代です。先の見えない人生を、今も楽しみながら模索中。